ロニー・クインタレッリ選手　:　「GT-Rは真の象徴（アイコン）」

ロニー・クインタレッリ選手はNISSAN GT-R NISMO GT500で14回目のSUPER GTシーズンに挑みます。このクルマとドライバーの組み合わせは、長年にわたりこのレースでの象徴となっています。このコンビによるこれ以上の走りはあるのか、あるいは豊富な経験で培われた秘策をまだまだ持っているのか。

私たちにとって、昨シーズンはベストとはいえませんでした。なんとなく、みんなにとって、オフシーズン感が否めないシーズンでした。富士スピードウェイでも何回かレースがありました。過去においては、富士は私たちにとって相性の良いサーキットでしたが、今やライバルとって有利になっている気がします。私たちはテクニカルなサーキットに向けた準備に多くを集中してきたので、とても苦しかった。結果的に昨シーズンは直線勝負となりました。いずれにしろ、それはもう去年の話。今シーズンはもっと面白くなるはずです。初戦は久々に行った岡山国際サーキット。過去の戦績を見ても得意なサーキットではないのですが、それでも今回のペースもとても満足していますし、スムーズなレース展開もできました。残念ながらGT300のクルマとクラッシュしてしまい、レースから離脱してしまいましたが、まだまだシーズンは始まったばかり。先は長いし常に次の秘策を準備してあります。

GT500クラスのレースは肉体的にとてもハードな競技なので、しっかりと準備する必要があります。私にはトレーニングなどをサポートしてくれるチームがいるので、彼らがしっかりとチェックしてくれます。シーズンの真ん中にピークをもっていくよう準備をしなければならないというのが、ポイント。6ヶ月間、ずっとピークを維持し続けることはさすがに不可能ですからね。私が集中的に取り組んでいるのは、心肺持久力を高める有酸素運動です。暑い車内のような厳しい環境下でも、できるだけ集中力を維持できるようにするための訓練です。

今年、大きく変えなければならなかったことは、冬の間の2週間トレーニングを休む余裕がなくなったこと。　少し年を重ねたことで、トレーニングを休むと、そこから元の状態に戻すのが難しくなってきたということです。

世界中、特に日本では、GT-Rはスポーツカーの真のアイコンです。私は2008年からNISMOでSUPER GTに参戦し始めましたが、当時、GT 500の参戦車両がちょうどフェアレディZから、R35 GT-Rに変わるタイミングでした。最初から素晴らしい競争力を発揮することができ、2008年から2013年の間に2つのタイトルを獲得しました。2014年にSUPER GTとDTMが強力なパートナーシップを築きましたが、一方でルールも大幅に変更されました。全車共に指定のカーボンモノコックとなり、より空力的が重視されるようになりました。NISMOもこれらの変更への課題にチャレンジし、再びチャンピオンシップで2連勝を果たしました。更に、2017年には、新しい規定が発表され、エンジンはすべて2.0リッター・ターボエンジンとなりました。とにかく多くの変化への対応をしながら、私たちは常に競争力を維持し続けています。

今シーズンは、今まで以上に厳しいシーズンになるかもしれません。私たちとライバルとの最大の違いは、ライバルたちはゼロから車を構築する機会が有った一方で、私たちは以前からのクルマを常に進化させ続けています。エンジンも進化しているし、タイヤについても更に上を目指し、ミシュランが素晴らしい仕事をしてくれています。

笑）　面白い質問ですね。私はその週末のレースで良い結果を出すために最も大きく影響しそうな事によって、下着の色を変えています。例えば、タイヤが鍵を握りそうならば、ミシュランの青を思って、青い下着。エンジンならばMOTULの赤を選びます。冗談だと思うかもしれないけど、本当なんですよ!!